『英語どんでん返しのやっつけ方』(小学館 根石吉久・村田晴彦共著)より


・もっとも汎用性の高い言語・簡単に国境を越える言語

 私は英語塾をやってきました。だから英語をやったほうがいいよ、と日本人に言い続け てきました。しかし、英語という言語がアメリカ中心主義のようなものと結びつくたびに、不快な思いを持ちました。決してアメリカが世界の中心ではない。一 人一人の人間が世界の中心なのだ。例えば、アメリカ人とそんな議論をする場合の言葉も英語でしたが、言語が現世のリアルなパワーと結びつくことの不愉快は 変わりませんでした。
 現在つきあっているオーストリア人は、もともとの言語はドイツ語ですが、私とは英語でつきあっています。英語は、すでにアメリカ、イギリス専用の言語で はなくなりました。英語圏の外の多くの国で、英語が使われるようになっています。
 例えば、私が韓国の人とつきあいが始まったとして、相互に英語で話すということは大いにありうることです。日本でつきあうのでも、韓国の中でつきあって いくのでも、英語が中に立つということは考えられますし、今後そんなケースは増えていくような気がします。
 英語という言語は、パソコンの「ローマ字入力」みたいなものかもしれません。(略)どんな会社のワープロにも使えるし、パソコンのソフトで「ローマ字入 力」を受けつけないものはまずありません。(略)一般的な使い方でもっとも汎用性が高いのが、「ローマ字入力」です。その点が英語と同じです。
 簡単に国境を越える言語、それが現在の英語です。空港、飛行機。港、船。そういうものをイメージしなくても、わが家の茶の間から、インターネットで、レ キシントンという町に住んでいる私の友達のところへメールが送れます。
 韓国の人と韓国の話をするには、話が細かいことになればなるほど、日本人が韓国語を知っているほうがいいし、日本のことを話すのなら韓国の人が日本語を 知っているほうがいい。話が細かいものになればなるほど、その土地の言葉を直接にわかるのがいいに決まっているのですが、逆に汎用性ということでは、英語 がもっとも汎用性をもっています。
 その土地固有の、なかなか外に理解されない性質も、英語が持つ汎用性も、両方大事にされるべきです。


[TOP]